2015年1月13日火曜日

人間ドックの新基準

北の安曇野渓流会会長 ● 石垣尚男

年末に風邪ひきの孫が来た。あまりの可愛さに頬ずりしたり、チュッチュしたり。当然のように風邪をもらってしまい8年ぶりの風邪で、今年の正月は寝正月で終わった。
寝ながら風邪を筆頭として健康関連を検索した。すると人間ドック学会の血圧とか、BMIなどの基準値が今年の4月から変更になるらしいということを知った。まだ世間ではほとんど知られていないようだ。例えば、これまでの高い方の血圧130は、これからは147までになる。
先ごろまで血圧130は高いから、トクホの○○ゴマ麦茶などのCMが流れていたが、最近、まったく見ないのはこういう背景があったのか。BMIでは25以上は肥満だったが、これから私は肥満ではなくなる。もともと肥満とは思っていないが。
ということは、これまでの基準は一体なんだったのだろうか。エイヤーで血圧は130未満、BMIは25以上と決めていたとしか思えない。自分は血圧が高いことを心配して血圧が上がる、肥満を心配してダイエットして体調が悪くなる、コレステロールが高いので食事制限・・・。つまり、厳しいがゆえにそれがストレスになって、かえってよくないということがあったはずである。
日本人はまじめだから、基準が厳しければ厳しいほど自分は基準値内かを心配する。厳しくするほど医者は儲かる、薬は売れる、トクホはただ同然の飲みものでウハウハである。健康は誰にもかかわるものだけ莫大な利益を生む。つまり利権である。
人間ドック学会では150万人のデータベースから1~1.5万人の健康な人をもとに算出した基準であるようだ。つまり血圧が147でも健康な人たちがいますよ、と言うわけである。健康な人をベースにするのは至極まっとうなことである。エイヤーで健康を決められたらたまらない。
「医者の嘘 -医者は自分の都合でウソをつく」(幻冬舎) を読むとエイヤーはありうるなと思える。人は誰でも自分の都合でウソをつくので驚くことはない。大学教授もウソをつくので、医者のことばかりは言えないが (笑)、こと健康に関しては願い下げである。
これは人間ドック学会の基準であって・・・などと他の利権業界が認めないなんてことがあったら、混乱はますばかりである。これからは、なにが本当でなにがウソなのか、自分で見極めなければならないやっかいな時代を迎えるだろう。