2012年3月24日土曜日

早春の鹿島川大谷原

 
北の安曇野渓流会 会員 ● 原田和正

仕事に追われて解禁当初の釣りは暫くご無沙汰しておりますが、今年は少し無理をしてでも3月初めに初釣りのため大町に行こうと目論んでおりました。そんな矢先、ホームグラウンドとしている鹿島川大谷原にある大学OB会の山小屋が積雪による被害に遭ったという連絡が入りました。屋根鋼板のずり落ちと電線引き込み部の脱落があり、漏電の危険があるため山小屋は使用禁止となってしまいました。そのため大町行きは暫くおあずけとなり、欲求不満が溜まる毎日が続きました。
ようやく仕事も一段落して年明け以降初めてとなる連休が取れそうになったので、山小屋の被害状況確認という大義名分?のもと、3月18・19日の大町入りを決めました。表向きはともかく、最大の目的はやはり初釣りです。水温も低く、魚影も決して濃くはありませんが、晴天のもとで雪を纏った鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳を見上げながら広い雪原で竿を振る早春の大谷原は、とても気に入っています。
18日は早朝東京を出発して、途中で別の用事を済ませ、暗くなる前に大谷原に入って山小屋の被害状況写真も撮ってきたので、翌日は朝から昼過ぎくらいまで釣りをする時間が確保出来ました。山小屋が使用禁止のため、この日は大町温泉泊で、以前から訪れたいと思っていた「天暇楽」の初見参も果たせました。初めは他のお客さんもなく2時間半ほどマスターと釣りの話などで盛り上がっていましたが、その後急にお客さんが増えて立て込んできたので、早々に退散いたしました。
前夜からの雨〜雪も止んで、いよいよ待ちに待った初釣りの日。陽射しはあるものの、大町の予想最高気温は2℃で風も強い。黒沢橋から入溪して、昨夜降った新雪を巻き上げる冷たい風の合間を縫ってはテンカラ竿を振る。雪面にトレースはなく、膝上くらいのラッセル。冬期登山並みに着込んではいたものの、さすがに寒くて日陰になるポイントはほとんどパス。水温は3℃。絶好のポイントでも全く反応がない。大谷原入口の堰堤下まで来ると、昨日の釣り人によると思われる半ば埋まったトレース有り。このあたりから上空の雲もなくなり、一面の青空が広がる。堰堤を越えると、いよいよ大谷原の雪原に飛び出す。稜線は多少ガスっているものの、頂上も時々顔を見せ、なかなか良い気分である。ただ、相変わらず風は強いが・・・。大川沢方面へ進み、小ゴ沢合流点手前で毛針に岩魚が出るが、残念ながら空振り。(咥えていなかったかも?)その後は全く反応無しで、大ゴ沢合流点の少し上で今年の初釣りは納竿。
青空の下、早春の大谷原の雪原で竿を振ることができ、初釣りはそれなりに楽しめました。たった一回の顔見せだけでしたが、鹿島の岩魚にも少しは遊んでもらえましたし。石垣会長や水谷事務局長のおかげでテンカラ釣りの再入門をさせていただき、大変感謝しております。実は、レベルライン・テンカラは今回でまだ6回目です。長年親しんだフライをやめるつもりはありませんが、暫くはテンカラをメインにやっていこうかと考えています。なお、せっかく初見参できたというのに、「天暇楽」ではつまみ無しでビールばかり飲んでいたので、帰り際には姉妹店の「岳」で遅めの昼食をとり、東京への道を急ぎました。ハンバーグカレーとてもおいしかったですよ、マスター。