2012年2月9日木曜日

巡りくる解禁

 
北の安曇野渓流会 会長 ● 石垣尚男

渓流シーズンが今年もまた巡ってきた。昨年も、その前も、その前も前も・・と繰り返されるシーズンインである。テンカラを始めて37年。当たり前のように今年も解禁を迎えたが、一年も欠けることがなかったことはつくづく幸せなことである。昨日と変わらない今日を迎えたことは幸せなこと。これは昨年の震災から学んだ。
大阪フィッシングショーに行ってきた。4日(土)の午前11時ごろ着いたが、まともに歩くことができないくらいの混雑である。これに水を掛ければ熱気が湯気に変る国府宮(こうのみや)の裸祭りである。
昨年よりも人出が多い。釣りとは言えさすがにヒトデを釣るメーカーはなかったが…。全体として出店社は減っているが、人の出は多い印象である。
先に出演した釣りビジョンが3月1日からBS放送になるというので勢いがある。どこのメーカーも相変わらずテンカラは渓流コーナーの隅にちょこっとあるだけ。肩身が狭い思いがする。
テンカラが渓流コーナーではなく、フライフィッシングショーに出店できればもっと認知されるように思うのだが。シマノの担当者と今年12月に発売予定のテンカラ竿について打合せする。期待できる竿になりそうだ。
明けて5日は寒狭川中部の解禁日である。ここの解禁にも皆勤賞である。いつもの駐車場から川を眺めれば10名程度のルアー、フライマンが。なかに1名サウスポーのテンカラマン。今年の釣り人は少ないぞ。
解禁日はこの季節には珍しく無風の日であった。それだけに水面がギラつかず魚の動きがよく見える。例によって放流アマゴのクイクイテンカラなのだが、今年はウキテンカラを試みた。フライで使うインジケーターの下に1m程度のハリス。ここにビーズヘッドつきの赤虫毛バリ。毛がないので毛バリではないが、これを自然に流しつつ、ときどき軽く誘うとウキがピクピクと消し込むというとてもテンカラの風上には置けない代物である。ところがこれが結構釣れるのだ。午前中に15匹くらいか。
Sさんが前日から煮込んでくれたモツカレーと、クラさんの作った川は減水、お昼は雑炊を囲むが、例年ならテンカラマンの数は多いのに今年は少ない。どうしたテンカラマン。
ところでモツカレーは郷里、清水のB級グルメというが全然知らなかった。郷里にいたときには食べたことがないのだ。ソウルフードはイルカである。肉と言えばイルカ。イルカを食った少年として育った私としてはイルカとミカンのコラボとかイルカ茶などで売り出してほしいものだ。反捕鯨団体から抗議殺到だろう。
減量中にもかかわらずあまりのうまさにゲフッとなるほど食べてしまい、いざ午後の部に出陣したときには魚はすっかりスレていて、サウスポー氏だけがヒットする。聞けば毛バリサイズを小さくしなければ反応しないそうで、21番とのこと。来年は21番のウキテンカラをやってみよう。この歳になると来年がある保証はないけれど。