2011年12月2日金曜日

オフになるとすること


北の安曇野渓流会 会長 ● 石垣尚男


オフになると決まってすることがある。そして挫折するのも例年のことである。減量である。渓流をガンガン歩き、アクティブなテンカラをするためのシーズン中の減量なら納得であるが、なぜか決まってオフである。
言うまでもなく厳しい冬を耐えるため、秋から冬に向っては生きとし生けるもの脂肪をため込むので、冬に向けての減量は冬のエベレスト登山のように困難が待ち受けている上に、年末年始という、ごちそうを食っちゃ寝する数日があるのでこの難関を越えられずに挫折し、挫折したことを理由にバカ食いして減量前よりかえって肥ってしまうことを毎年繰り返している。
だが、今年は手ごたえが違うのを感じる。9月末、数名で長野県大町の高瀬川源流で遊んだとき、天龍の塩澤会長も一緒だった。塩爺は御歳81歳である。ひっくり返して18歳のような足取りで毛バリを振る。歩き方、振舞い、声のハリ、みんな若々しい。そのとき、会長のように80を超えても源流を歩けるようになりたいと素直にそう思ったのだ。
そのためには減量しかない。ちょっとしたアップダウンでハァハァ言うような肥った身体ではとても80までテンカラはできないだろう。なに! 80までする気かという声がどこかから聞こえた気がしたが・・・。その前の晩、バーベQで馬鹿食いをしたのを最後に本気になって減量しよう。何事にも目標をもってチャレンジ。その一つが減量というわけである。
その気にさせたものが他にもあった。8月末の1週間のアメリカのテンカラで、向こうの食事のバランスの悪さにうんざりしていたことと、それが原因の肥満者の多さにアメリカの敵はアルカイダではなく肥満だ!と思っていたところに、書店でふと目に入ったのが『成功する人は缶コーヒーを飲まない』であった。パラパラとめくれば肥る原因が思い当たることばかりである。缶コーヒーを習慣のように飲んでいる。うまいとは思わないがなんとなく飲まないと一日が始まらない気がする。
缶コーヒーには角砂糖数個分の砂糖が入っている。そのことは知っていたが砂糖不使用ではイマイチ味気なく飲んだ気がしない。餡パン、それも北海道十勝産の小豆の餡パンに缶コーヒーの組み合わせはこの上なくうまく、元気の素のように思える。今日も元気だ餡パンがうまい。
その本には一時的な過剰な糖質摂取が急激に血糖値を上昇させ、血糖値が下がるとき平常よりも低血糖の状態になるという血糖値のエレベーターが肥満や疲労感を招くことをわかりやすく説明している。
この本は、肥満の原因が過剰な糖質摂取にあることなどごくごく当たり前のこと書いているのだが、私にとって強いインパクトになった。糖質、つまり炭水化物の摂取を減らし、たんぱく質をたくさん摂ることに変換すればいいのだ。
バカ飯を食べるのは止めよう。倉上軍団のGの男とボウズ浅井と私でタッグを組めば、おひつを抱えて相撲部の合宿のように飯を食うのだが、タッグの一人はカリメロ宮下さんに譲ってリングを去ることにした。
以来2ヵ月である。確実に減量している。瞬間最大風速93kgが今は87Kgである。このままでいけば40kgも夢ではない(そんなバカな)。きたる年末、年始をやりすごせばシーズンインにはシャープな身体になっている自分を夢見ている。甘いものを控えているので、私に何か、というときにはたんぱく質の塊であるアワビが一番好ましいと思う師走の入りである。

2011年11月28日月曜日

初冬の葛温泉、サカナ達は元気です



本年最後の葛温泉レポート 事務局長●水谷 博

紅葉の終わった葛温泉は静かです。木々は葉を落とし、あとは雪を待つばかりです。しかし、かじか橋の下の本流は賑やかでした。尺クラスのヤマメとイワナが数匹ライズを繰り返しています。水温は5℃台、もう産卵は終えているはずですが、ペアリングしているようないないような、微妙な動きです。
大町ダムバックウォータから高瀬舘前の堰堤まで観察しましたが、橋の下以外では魚影を認めることができませんでした。産卵床らしきものも発見できませんでした。なぜか橋の下だけは賑やかです。
小白沢の人工産卵場は、また半分ほど砂に埋まりました。辛うじて産卵床の手前で砂は止まっていますが、今後は雨ではなく早く雪の降ってくれることを祈るばかりです。
グレンパル葛の小川の人工産卵場は、上流の二つはドロに埋まってしまいましたが、下流の二つにはドロに埋まっていないところがあり、これは明らかに産卵床と思われます。小川の水温はすでに4℃台であり、魚影がまったく見られなかったのはすでに冬の眠りについているのかもしれません。
冬来たりなば春遠からじ、ちょうど解禁の頃には孵化してくれることと思います。