2011年10月18日火曜日

錦秋の葛温泉、人工産卵場は?




●葛温泉レポート 事務局長 水谷 博

今年の紅葉はイマイチのようです。急に冷え込んで山に初雪が降ったうえにその後の暖気で発色がよくありません。それでも、北葛沢の紅葉は一見に値します。

10月7日に人工産卵場造成をご指導いただいた中村先生から、本流で35㎝オーバーのイワナがペアリングと掘り行動をしているよとのmailをいただき、すぐに飛んで行きたいのもままならず、ようやく15日に葛温泉へ行くことができました。でも、残念ながらこの日はそれを確認できませんでした。しかし、小白沢1号(上流)では、尺ヤマメがペアリングと掘り行動をしていました。最初は流木の周りを20㎝サイズのヤマメが泳ぎ回っているように見えたのですが、なんとそれが尺ヤマメだったのです。おなかに黒っぽい婚姻色の出た大物でした。午後4時を回ると掘り行動も始めましたが、これは明るさが足りなくて写真に撮れませんでした。

橋の真下の2号は残念ながら砂で半分埋まってしまっていましたが、下流の3号にはイワナがいました。こちらは25㎝サイズですが、黒っぽい放流イワナではなく、天然のニッコウのようでした。しかし、ペアを組む相手がおらずしばらくしてエグレの中に消えました。それにしても、中村先生の眼力には参りました。岩盤を乗り越えてここまで上がってくとは予想できず、これまで小白沢での観察は行っていませんでした。人工産卵場を造成しながらも、遡上するかは半信半疑でしたが、ここまで上れないようなイワナは産卵する資格がないという先生のお言葉の通りでした。感服です。

16日も観察に出ましたが、なんと昨夜のまとまった雨ためか、人工産卵場が半分ほど砂で埋まっています。でも、尺ヤマメは定位しています。慌ててカメラを取りに行こうとしたら、サッと白泡の中に消えてしまいました。昨日と違って人影が水面を横切ったためだったかもしれません。まだかなり神経質なようです。橋の上からの観察は慎重にお願いいたします。なお、砂は産卵が確認できなければ明日取り除く予定です。