2011年12月24日土曜日

いんたーなしょなるTENKARA


北の安曇野渓流会  理事 ● くわた一宏

日本の釣り人と釣り業界関係者のほとんどが「日本固有のマイナーな釣り」と信じきっているテンカラが、米国を中心に欧米で着実に浸透しつつある。
"tenkara" をググれば結果は226,000件、もちろんそのほとんどは日本のサイトじゃない、無数にある Tenkara のフォーラムサイトも盛り上がっている。米国 eBay でも関連商品は多いときで50を超え、カナダ、イギリス、オーストラリアにも出品があり、出品点数はここ3年で徐々に増えている。
そのきっかけになったのが Tenkara USA、石垣会長の愛弟子でもあるダニエル氏で、少なくとも市場としてのテンカラを世界に広めたいちばんの功労者だろう。世界初のテンカラ専門店が米国だったってことは驚くべきことで、反面、発祥の国で、曲がりなりにもこれを生業の一つにしているボクとしてはかなり複雑な気分だった。
日本でのテンカラウォレットの反応に業を煮やし Tenkara USA に営業をかけたのが2年前の冬だったか?  幸いにもすぐにオーダーを頂戴したが、当時は20〜30個売れれば御の字と思っていた。それがこの2年でイギリス、カナダを含め販売数は180個超。なお、今日まで日本で売れたのが2個 (試作特価品を除く)。
今年春には Tenkara USA をモロに真似た Tenkara International なる通販サイトがオープンした。それを知って血相を変えた(?) ダニエルからメールが来た。「自分が持っている商標を使われた。テンカラウォレットも真似している。君も抗議したほうがいい」と。
商品画像を見て笑ってしまった、あまりにお粗末で。それより、真似されて実はうれしかった。偽物が出来て初めて本物だから....。こんな日本人的感覚はダニエルは理解できなかったようだけど、彼の抗議の末、閉店するかと思ったら屋号を Tenkara Global に改名して、ウォレットも商品名を変えて、さらに春日氏の毛鉤ケースの偽物まで加えてシブトくやっている。.... ちなみに石垣会長もオーナーと笑顔で登場して、そこのインチキ竿を "I think that is a wonderful Tenkara rod" と言ってることに ....。日本以外の世界はたくましい。
このご時世「も」あって我が K'z craft の、特にイベントでの売上は極端に落ちているが、対面販売で長年お客様を観察していて、たとえば会場全体見回すとかテーブル全体を見るとかの物理的な視野が徐々に狭くなっていることに気づいていた。それは景気が悪くて小遣いが少なくなっただけの問題ではなく、精神的な視野、興味の対象が狭まっているということなのだろう。
風を読み、場を読み、水を読む視野もなく、付け焼き刃のテクニックだけで釣れるほどは残念ながら魚はたくさんいないでしょうに。
日本国と日本人の五感に精神までが萎縮しているなかで、誇るべきマイナー文化が自国民の知らないところで自由に世界を駆け巡っている。

今年夏、万久で名人・吉村氏にタモ作りの指導を受けるダニエル



今年イギリスで出版されたテンカラのマニュアル本。$32.08




2011年12月2日金曜日

オフになるとすること


北の安曇野渓流会 会長 ● 石垣尚男


オフになると決まってすることがある。そして挫折するのも例年のことである。減量である。渓流をガンガン歩き、アクティブなテンカラをするためのシーズン中の減量なら納得であるが、なぜか決まってオフである。
言うまでもなく厳しい冬を耐えるため、秋から冬に向っては生きとし生けるもの脂肪をため込むので、冬に向けての減量は冬のエベレスト登山のように困難が待ち受けている上に、年末年始という、ごちそうを食っちゃ寝する数日があるのでこの難関を越えられずに挫折し、挫折したことを理由にバカ食いして減量前よりかえって肥ってしまうことを毎年繰り返している。
だが、今年は手ごたえが違うのを感じる。9月末、数名で長野県大町の高瀬川源流で遊んだとき、天龍の塩澤会長も一緒だった。塩爺は御歳81歳である。ひっくり返して18歳のような足取りで毛バリを振る。歩き方、振舞い、声のハリ、みんな若々しい。そのとき、会長のように80を超えても源流を歩けるようになりたいと素直にそう思ったのだ。
そのためには減量しかない。ちょっとしたアップダウンでハァハァ言うような肥った身体ではとても80までテンカラはできないだろう。なに! 80までする気かという声がどこかから聞こえた気がしたが・・・。その前の晩、バーベQで馬鹿食いをしたのを最後に本気になって減量しよう。何事にも目標をもってチャレンジ。その一つが減量というわけである。
その気にさせたものが他にもあった。8月末の1週間のアメリカのテンカラで、向こうの食事のバランスの悪さにうんざりしていたことと、それが原因の肥満者の多さにアメリカの敵はアルカイダではなく肥満だ!と思っていたところに、書店でふと目に入ったのが『成功する人は缶コーヒーを飲まない』であった。パラパラとめくれば肥る原因が思い当たることばかりである。缶コーヒーを習慣のように飲んでいる。うまいとは思わないがなんとなく飲まないと一日が始まらない気がする。
缶コーヒーには角砂糖数個分の砂糖が入っている。そのことは知っていたが砂糖不使用ではイマイチ味気なく飲んだ気がしない。餡パン、それも北海道十勝産の小豆の餡パンに缶コーヒーの組み合わせはこの上なくうまく、元気の素のように思える。今日も元気だ餡パンがうまい。
その本には一時的な過剰な糖質摂取が急激に血糖値を上昇させ、血糖値が下がるとき平常よりも低血糖の状態になるという血糖値のエレベーターが肥満や疲労感を招くことをわかりやすく説明している。
この本は、肥満の原因が過剰な糖質摂取にあることなどごくごく当たり前のこと書いているのだが、私にとって強いインパクトになった。糖質、つまり炭水化物の摂取を減らし、たんぱく質をたくさん摂ることに変換すればいいのだ。
バカ飯を食べるのは止めよう。倉上軍団のGの男とボウズ浅井と私でタッグを組めば、おひつを抱えて相撲部の合宿のように飯を食うのだが、タッグの一人はカリメロ宮下さんに譲ってリングを去ることにした。
以来2ヵ月である。確実に減量している。瞬間最大風速93kgが今は87Kgである。このままでいけば40kgも夢ではない(そんなバカな)。きたる年末、年始をやりすごせばシーズンインにはシャープな身体になっている自分を夢見ている。甘いものを控えているので、私に何か、というときにはたんぱく質の塊であるアワビが一番好ましいと思う師走の入りである。

2011年11月28日月曜日

初冬の葛温泉、サカナ達は元気です



本年最後の葛温泉レポート 事務局長●水谷 博

紅葉の終わった葛温泉は静かです。木々は葉を落とし、あとは雪を待つばかりです。しかし、かじか橋の下の本流は賑やかでした。尺クラスのヤマメとイワナが数匹ライズを繰り返しています。水温は5℃台、もう産卵は終えているはずですが、ペアリングしているようないないような、微妙な動きです。
大町ダムバックウォータから高瀬舘前の堰堤まで観察しましたが、橋の下以外では魚影を認めることができませんでした。産卵床らしきものも発見できませんでした。なぜか橋の下だけは賑やかです。
小白沢の人工産卵場は、また半分ほど砂に埋まりました。辛うじて産卵床の手前で砂は止まっていますが、今後は雨ではなく早く雪の降ってくれることを祈るばかりです。
グレンパル葛の小川の人工産卵場は、上流の二つはドロに埋まってしまいましたが、下流の二つにはドロに埋まっていないところがあり、これは明らかに産卵床と思われます。小川の水温はすでに4℃台であり、魚影がまったく見られなかったのはすでに冬の眠りについているのかもしれません。
冬来たりなば春遠からじ、ちょうど解禁の頃には孵化してくれることと思います。




2011年11月17日木曜日

オフに行きたい管釣り


●事務局長 水谷 博

11月14日に葛温泉を観察しました。小白沢の人工産卵場には変化はなくすでに冬の眠りについているようでした。グレンパルの小川では、人工産卵場ではない滝壺の近くでペアリングをしている一組のイワナを観察できました。水温は7~8度ですので、まだ産卵が続いているようです。
しかし、本流の橋の下ではまだイワナとヤマメがライズしており、ペアリングは観察できませんでした。水温はまだ8度代ですのでこれからも産卵は期待されますが、本流の人工産卵場はややヘドロの堆積が見られ、掘り行動の跡もありませんでした。水深が10㎝もなく、ここはどうも気に入られなかったようです。

そんなことをしていると、急にテンカラウイルスが疼き出しました。小春日和でもあり、久々に鹿島槍ガーデンに行ってみることにしました。時刻はもうお昼近くです。4200円はあまりに高いのですが、このあたりで竿が振れるのはここしかありません。駐車場に着くと、品川・八王子・熊谷・尾張小牧ナンバーの車が並び、遠方から結構来ていました。ルアーマンがほとんどのようでしたが、あまり釣果はあがっていないようでした。
1号池の東南の角にイスを出して陣取って振り始めましたが、毛鉤にまったく反応がありません。やむなく、ストリームに移動すると、早速来てくれました。45㎝オーバーのブラウンです。止水ではまったく反応がなかったのに、ここでは瞬く間に同サイズが3本あがりました。1号池に戻って釣り歩く、ニジマス混じりでボチボチきてくれます。
東南の角に戻るとすぐ近くでフライマンがバンバン掛けています。ムッ、気がつけば小さな羽虫がいっぱい飛んでします。持っている毛鉤の最小サイズは14号でしたので、これに代えて振り込んでみるとこちらもバンバンです。まさに、マッチザハッチの入れ喰い状態です。40㎝以上のブラウンとニジマスが次々と掛かります。最初は引きを楽しんでいましたが、こうなるとまったくおもしろみがありません。とにかく、毛鉤が水面に落ちた瞬間に喰うわけですからテクニックも何もあったものではありません。わざとサカナのいないところに落としても、1m以上サカナはダッシュして喰ってくれます。隣のフライマンと目が合うと、もう飽きたねという感じでした。釣れなかったのか、ルアーマンが不思議そうな顔をして二人の横を通っていきました。
それにしても、塗れ雑巾ではない綺麗なサカナが釣りたいものです。贅沢すぎますか?






2011年11月1日火曜日

人工産卵場で産卵を確認 放流魚も産卵

イワナの卵

●葛温泉レポート 事務局長 水谷 博

この2週間、「ペアリングしていたよ」との連絡はあるものの産卵の確認ができず、イライラの毎日でした。ようやく時間がとれた今日午前、久々に葛温泉に入渓することができました。
まずは小白沢からです。橋の上から1号を覗くと、サカナはいませんがはっきりと1ヶ所窪みがわかります。産卵床に違いありません。はしごを下ろすのももどかしく急いで降りてみると、直径15cmほどで周囲より3cmほど窪んだ場所があります。産卵直後の卵は非常に繊細なので本来なら掘り返すのは避けるべきですが、産卵の瞬間を確認できなかったので、静かに小石をどけてみました。なかなか発見できません。ふとどけた石を見ると5mmほどの白いものが見えます。卵はイクラのようなイメージを抱いていたので発見が遅れました。かすかに橙色がかっており卵に間違いありません。十数粒が確認できましたので、慌ててまた静かに戻しました。下流に造成した2号と3号には窪みがなく、残念ながらここでの産卵はまだないようです。
続いてグレンパル葛の小川に向かいました。ここは泥の堆積が心配されたのですが、それがかえって産卵床を明確に教えてくれました。中間の2号と3号には泥のたいせきしたところとそうではなく不自然に盛り上がったり窪んだところがありました。この1ヶ所も静かに小石をどけてみると2個の卵を発見しました。放流したイワナもちゃんと産卵したようです。
最後に本流ですが、橋の上から見ると人工産卵場には少し泥が堆積しており、魚影はありません。造成直後は何度もこの上で尺物が観察されていましたが、このところさっぱり寄りついていないようです。降りて観ても産卵床は確認できず、今日のところは泥をかき出すだけになりました。しかし、橋の上流では、ヤマメとイワナの尺物がライズを繰り返しながらエサ取りに精を出しています。水温も高そうで、本流での産卵はまだこれからのようです。
葛温泉の今年の紅葉は色鮮やかに燃えることもなく終わろうと枯れ葉が風に舞い、何か物寂しさを感じさせられますが、川の中では新しい生命の息吹が感じられました。

ヤマメの卵
グランパル葛の小川

小白沢1号


2011年10月18日火曜日

錦秋の葛温泉、人工産卵場は?




●葛温泉レポート 事務局長 水谷 博

今年の紅葉はイマイチのようです。急に冷え込んで山に初雪が降ったうえにその後の暖気で発色がよくありません。それでも、北葛沢の紅葉は一見に値します。

10月7日に人工産卵場造成をご指導いただいた中村先生から、本流で35㎝オーバーのイワナがペアリングと掘り行動をしているよとのmailをいただき、すぐに飛んで行きたいのもままならず、ようやく15日に葛温泉へ行くことができました。でも、残念ながらこの日はそれを確認できませんでした。しかし、小白沢1号(上流)では、尺ヤマメがペアリングと掘り行動をしていました。最初は流木の周りを20㎝サイズのヤマメが泳ぎ回っているように見えたのですが、なんとそれが尺ヤマメだったのです。おなかに黒っぽい婚姻色の出た大物でした。午後4時を回ると掘り行動も始めましたが、これは明るさが足りなくて写真に撮れませんでした。

橋の真下の2号は残念ながら砂で半分埋まってしまっていましたが、下流の3号にはイワナがいました。こちらは25㎝サイズですが、黒っぽい放流イワナではなく、天然のニッコウのようでした。しかし、ペアを組む相手がおらずしばらくしてエグレの中に消えました。それにしても、中村先生の眼力には参りました。岩盤を乗り越えてここまで上がってくとは予想できず、これまで小白沢での観察は行っていませんでした。人工産卵場を造成しながらも、遡上するかは半信半疑でしたが、ここまで上れないようなイワナは産卵する資格がないという先生のお言葉の通りでした。感服です。

16日も観察に出ましたが、なんと昨夜のまとまった雨ためか、人工産卵場が半分ほど砂で埋まっています。でも、尺ヤマメは定位しています。慌ててカメラを取りに行こうとしたら、サッと白泡の中に消えてしまいました。昨日と違って人影が水面を横切ったためだったかもしれません。まだかなり神経質なようです。橋の上からの観察は慎重にお願いいたします。なお、砂は産卵が確認できなければ明日取り除く予定です。


 


2011年9月27日火曜日

今シーズン最後の1本




●その後の葛温泉レポート 事務局長 水谷 博

本年も「2011信濃大町テンカラミーティング」に多数のご参加をいただきまして、誠にありがとうございました。今日は、役所や漁協などお世話になったところにご挨拶をし、各所の支払いに1日中大町市内を駆け回りました。それが終わったのは5時頃。昨日の高瀬ダム上流は冷たい水の水位が高くて全くダメでしたし、今シーズンはもう渓に行けないので、葛温泉に行くしかありません。
仙人岩への入渓は5時半前、何としてもかじか橋までは釣り上がらなければならないので、大物ポイントを攻めるだけです。そのため、いつもは持たないタモと魚籠も身に付けました。
最初のポイントでは反応がありませんでしたが、次のポイントではチビヤマメが来てくれました。続いて15㎝サイズのイワナもかかりましたが、まだ思春期のサカナを人工産卵場に揚げるわけにはいかないので、いずれもリリースです。三つ目のポイントで25㎝サイズのイワナがようやく来てくれました。
その後は20㎝サイズのイワナが1本掛かっただけでしばらく反応がなく、かじか橋の下のポイントへ。ここはいつも必ず来てくれるところです。数投振り込みましたがアタリはありません。あきらめかけた時、ガツンと来ました。尺イワナです。引きを楽しみながら慎重に足元に寄せてタモを出しました。しかし、ワンタッチのタモが開きません。二三度振っているうちにラインが緩んでしまいました。その瞬間にエラを洗われてバレてしまいました。ショック! このときほどバーブレスを恨んだことはありません。今シーズン最後の1本だったのに・・・。やはり使い慣れていないものはこんな時に使おうとしてはいけないんですよね。
もうすっかり薄暗くなった河原を重い足を引きずりながら大きな開きに来ました。昨日、橋の上から見ても魚影が確認できなかったので、いるはずはないよなと思いつつ振り込むと、バシャッ。続いてガクッ。手応えを感じつつタモは使わずに必死にランディングさせました。天は我を見捨てず、揚がったのはヒレピン鼻曲がりの泣き尺ヤマメでした。ダム差しに間違いありません。今年3本目です。写真を撮り、すぐ下の人工産卵場へ行ってくださいと願いつつこれはリリース。魚籠に入った2本のイワナは、グレンバル葛の小川へ再放流。これで今シーズンの釣りは終了です。あとは仕事しなくちゃ。今年も遊んでくれたサカナたちに感謝です。

2011年9月26日月曜日

2011 信濃大町テンカラミーティング&講習会



北の安曇野渓流会  事務局

9月24日、当会の公式イベント“2011信濃大町テンカラミーティング*講習会”は無事終了しました。
今回のイベントは、当会初の“産卵場の造成”という大きな目的があり、渓流魚の立場から、それに適した時期を選び開催。中村智幸水産学博士とともにスタッフは前日からロケハンを行い、場所を決定。北安漁協の全面強力のもと、橋の上から砂利のバケツをロープで降ろし、参加者が河原をバケツリレー。グランパル葛の前の高瀬川本流と、その700m下流左岸の枝沢に数カ所の産卵床が完成しました。
「条件は揃いました。必ず産卵してくれると思います」と中村先生。
“自然産卵による渓流魚の増殖”に向け、確実に前進することができました。
龍神湖から上ってくるイワナやヤマメが気にってくれることを願いつつ、現地スタッフが観察をつづける予定です。
皆さんのご参加、ありがとうございました。


  


2011年9月22日木曜日

公式イベントは予定どおり開催します



台風15号の影響で開催が心配されましたが、今日以降、降雨の可能性はないため、


予定どおり開催することになりました。


今のところ水況はそれなりの増水状態ですが、確実に回復に向かっています。


2日間とも好天に恵まれそうです。そのため現場朝の最低気温は10℃を下回ります。


特に野営の方々は防寒着のご用意をお忘れなく。


スタッフ一同、会場でお会いできることを楽しみにしています。


では、道中、お気をつけて。

2011年9月21日水曜日

[緊急] 9月23日(金) からのイベント開催について

北の安曇野渓流会 事務局

台風15号の影響により、9月21日(水)正午現在、安曇野でも断続的な強雨がつづいています。

予報では当日の天候は晴天とのことですが、河川の増水が心配されます。

明日午前に現地スタッフがロケハンをし、開催か中止かの判断を下すことになりました。

公式サイト、ならびに本ブログで 9月22日(木) 正午に発表いたします。

2011年9月16日金曜日

槍を仰いでテンカラを振る



●高瀬ダム上流レポート 事務局長 水谷 博

人工産卵場造成の目安もついて、午後3時半過ぎに五郎沢出会いから入渓、1週間前とは打って変わって低水位です。大物ポイントが続くチャンスですが、サカナが敏感にもなっているのでアプローチには気を遣います。
3つめのポイントでガクッと来ました。25㎝のニッコウです。そこで、同行した初入渓のO氏に「このポイントは、こことこことそこに振り込んでからあそこを狙います。あそこが一番の狙い目です。」などと偉そうな講釈を語って振り込むと、あそこからバシャッと出ました。なんと今年初の尺物ニッコウです。
その後はO氏が右岸を、左岸は私が釣り上がります。ゴヂ沢出会いで午後6時に納竿、結局O氏は4匹、私は11匹でした。最初の2匹以外はすべて、20㎝前後のニッコウイワナで、ウグイに出会うことはありませんでした。登山道に戻って見上げると槍ヶ岳がかすかに浮かんでいました。
ここからもまだいろいろありましたが、今日はここまでとします。



2011年9月8日木曜日

小さい秋、み~つけた


●高瀬ダム上流レポート 事務局長:水谷 博

FM長野の収録も終わり、気分的にちょっと余裕ができたのと十数日ぶりの快晴の空に誘われて、高瀬ダムの上に午後の短時間ながら入渓してきました。ダムの堰堤から槍ヶ岳の頭も覗けました。釣行は、駐車場の先から五郎沢出会いまでを1時間半という新幹線並のスピードでしたが、そのスケールの大きさに癒やされた時間でもありました。
はじめは川幅の広い瀬が続きます。大きな沈み石の周りを丹念に探っていくと、コツッと最初のアタリが来ました。これがまるまると太ったウグイ、ここまできて見たくない魚体です。この後、もう1本来ました。以前、イワナのエサがここは少ないということで、そのエサになるようにと放流されたものが残っているのです。今後は、生態系の保存という観点からその駆除も考えてもらいたいものです。
大岩がゴロゴロしているポイントに来ても、これまでの雨のためか、この時期にしては水量が多く、ガンガン瀬が続きます。こんなところから出るわけないよなと思いつつ、その瀬脇に毛鉤を振り込むと、ピョンとイワナが出てくれました。18サイズのチビですが、元気なヤツでした。五郎沢出会いまでにこれを含めて同じようなポイントから同サイズが計3本、これでタイムアップです。水量が多く、大物ポイントがすべてつぶれていたのが残念でした。次回に期待しましょう。



2011年9月6日火曜日

2011 信濃大町テンカラミーティング&講習会 ご案内


北の安曇野渓流会  理事: くわた一宏

春に予定していた公式イベントが諸事情により中止となり、ご迷惑をおかけしましたが、今回は“高瀬渓谷・自然産卵促進事業”として長野県の正式な助成を受け、9月23日(金・祝)〜24日(土)、盛大に開催します。

石垣尚男会長による講習会はもちろん、親子テンカラ教室、(独)水産総合研究センター・中村智幸博士のレクチャーと産卵場の造成作業、そしてプロの料理人によるBBQなど、盛りだくさんです。

会長のテンカラ講習は要・事前予約(先着順)ですが、会長以外にも会場をうろついている理事の面々ができる限りお教えいたします。テクニックの向上ももちろんですが、何より参加者が親睦を図ることがイベントの大きな目的の一つです。特にビギナーの方、お気軽にお声をおかけください。

忘れてました、会場の葛温泉。ここの湯は大町温泉郷へも引湯されている天下の名湯。日本秘湯を守る会に所属する3旅館が今回もオフィシャルホテルです。宿泊料は特別料金で、また、宿泊者でなくても当会のメンバーは割引料金で日帰り入浴が楽しめます。

内容詳細とお申し込みは、公式サイトから。お問い合わせもメールで何なりと。
皆さんのご参加をお待ちしています。

〈昨年度のようす〉 ←クリック

● 無事終了 当日のもようは こちら

2011年8月13日土曜日

かじか橋の下は釣り堀状態



事務局長 : 水谷 博

残暑、お見舞い申し上げます。
最近の大町は連日の夕立に見舞われて水況が安定せず、イベント準備にも駆け回っていたので、竿を振ることはほとんどありませんでした。そんな折り、温宿かじかさんへお願いに行ったら、橋の下にはヤマメが群泳しています。放流があったのでしょう。次の約束まで30分時間があります。これはもう振るしかありません。時刻は11時を回ったカンカン照りの日中です。ウエーダをはく時間も惜しんで運動靴のまま竿と仕掛けだけを持って急いで入渓しました。
最初の一投に即、数匹が反応したものの、毛鉤には乗ってくれませんでした。数投目でヒレボロ20㎝サイズが来てくれました。ポイントを変えつつ3匹までは素直に掛かってくれましたが、その後は、毛鉤に反応するものの喰うところまではいきません。やむなくフライの講習会で巻いたカディスに代えたらまた来てくれました。さらに1本を追加してジャスト30分で5本、これはキープさせていただきました。
今年は、藻の発生は見られません。水況も安定しています。ただ、ウルル(アブの小さいの)には注意してください。これまで葛温泉では経験したことがないほど沢山います。日中でこれですから、夕間詰めは大変なことになると思います。防虫対策を完璧にしてお楽しみください。



2011年7月25日月曜日

テンカラ志願のイギリス人



北の安曇野渓流会 会長:石垣尚男

「スティーブというイギリス人がテンカラをやりたいので面倒みてほしい」というメールが北の安曇野渓流会へあり、水谷事務局長から私に面倒みてくれないかという依頼が。誰でもWelcome。フライ発症の地のイギリスからテンカラをやりたいなら、なおさら面倒みましょうと実現したのが7月23日 (土)。
大町で待ち合わせ。足のサイズは30cmと聞いていたので、デカイだろうと予想していたが、やっぱりデカイ。私がデカッ!と思うくらいの185cmである。日本語ペラペーラ。聞けば奥さんが日本人で実家が大町の隣の池田町。日本とイギリス相互の投資会社の仕事をしているので、日本にも時々来るとのこと。どうりで。
すぐに意気投合。バカ高いイギリスのフライフィッシング料金などの話が面白い。日本の文化にも詳しく、造詣が深く、日本文化を尊敬していることが言葉の端はしでわかる。知的で、物静か、私のようなオヤジギャグは言わないがユーモアのある人である。
なんでテンカラなの? どうやらイギリスの雑誌にテンカラが紹介されたらしい。日本人がイギリスで釣りをしたときことが記事になり、その記事を書いた編集長が実際に自分もやってみたら、面白く、よく釣れ、しかもシンプル…。これを読んだスティーブが、ならば日本に行ったらぜひテンカラをやりたいと、Webを検索していたら北の安曇野渓流会のサイトに行きついたらしい。
さっそく大町山岳博物館に案内し、明治11年、当時のイギリス公使のパークス一行が立山登山をしたときに、彼らを案内したのではないかと思われる遠山品右衛門の毛バリ釣りの道具、竿などの展示を見てもらった。立山登山日記を書いた書記官のアーネスト・サトーのことはスティーブも知っているようだった。
では、実釣というわけで籠川へ。竿は3.6m、ラインは4号を4m、ハリスは0.8号1mの標準的な仕掛けにする。苦労するのではと思っていたキャスティングもすぐに75点レベルでクリア。クレバー(頭がいい)だ。私の「レッスン!」という言葉が気にいったらしい。どんどんレッスンしてくれという。その都度、彼の釣りを中断して、そこはここに毛バリを落とし、このように流す、なぜならと理屈を交えて教える、この日の籠川はやや水が高く、流れも強く、ポイントが限定されているため苦戦する。結局、籠川では22cmのスレイワナが1匹。
ではと、高瀬川の葛温泉前に移動。この頃になるとキャスティングもポイントの見極めも的確で、今日がテンカラ初日、それもまだ3時間とはとても思えない。陽が傾き、さしもの真夏の明るさも水面に黒い影を作りだす5時をまわって、アタリも活発になるとともに合わせが利かないことに戸惑う。さまざまなアタリをつかめないのは当然だ。ライズしていた1匹のイワナを完璧な合わせでヒットさせた。本当にうれしそうだった。
結局、この1匹に終わったが、日本でテンカラ竿、毛バリ、ラインなど一式揃え、イギリスでテンカラをやるという。彼ならフライ発祥の地、イギリスでテンカラを普及させるかもしれない。イギリスでテンカラを振るのも悪くないなと私は密かに思っている。ここに書いてしまったら密かではないけれど。


2011年7月3日日曜日

北葛沢へ初入渓



●葛温泉レポート 事務局長:水谷 博


過日の松本での地震で被災された皆様にはお見舞い申し上げます。会員のみなさには被害がありませんでしたでしょうか。大町では幸い「え、今地震あったの?」という程度でした。
大町も梅雨真っ盛りです。どの渓流も水が高くてテンカラでは入渓できそうもありません。今日は乳川のカリウラで漁協の釣り大会だったのですが、行われたのでしょうか。葛温泉も七倉ダムからの放流で濁流状態です。でも、そこへ向かう途中、北葛沢を覗いたら濁りがまったくありません。これは入るしかないのですが、地元の古老からは「北葛へは雨の前に入るな。雨が降ったらすぐ出ろ。」と言われています。北葛沢は標高2551mの北葛岳直下から龍神湖まで1000m以上を一気に下る細くて深いV字谷です。慎重さが求められる山岳渓流です。
入渓は午後4時前、高瀬トンネルの入口直下からです。まずバックウォータまで下りましたが、途中チビイワナが1回遊びに来てくれただけでした。橋の下からは本格的な山岳渓流の様相です。でも水が高い。ポイントがほとんどつぶれています。慎重に振込を続けていくと、ちょっとした開きからヤマメが来てくれました。サイズは18㎝です。さらに遡行していくと岩陰から20センチサイズのイワナが来てくれました。ヒレピンです。その上では23㎝が来ました。入渓者が少ないのか、いずれも水中でのちょっとしたアタリですが、素直に毛鉤に乗ってくれます。
これはいいかと思いつつ、橋から200mほど進んで右ドックレッグしたところまで来ると、その上は全面白泡です。無理をせず今日はここで納竿です。でも、秋口になれば龍神湖からの遡上が期待されますので、きっと尺物も来てくれるでしょう。
なお、本年のイベントは9月23(祝)・24(土)に葛温泉で開催します。まだ詳細が決められませんので、詳しい内容をお伝えすることができませんが、日程の確保だけは今からお願いいたします。その時は北葛沢も狙ってみてください。